…テスコ
今回ご紹介するのは1960年代前半製と思われるテスコのフルアコ。テスコはテスコでもいわゆる「エレキブーム」以降の製品とは一味も二味も違う高級感溢れるセットネックの美品です。
一応3つもピックアップが付いている立派なエレクトリック・ギターですが、生音の素晴らしさ、特徴的なグリップ形状を生かし、もっぱらアコースティックのリズムギターとして宅録用に使っています。
突き板も耳貼りもない簡素なスモールヘッドに「T」ロゴ。入手時にマシンヘッドが消失していたため、バーゲンで買ったゴトー製シングルフランジのクルーソンタイプ（ツマミの色合いが絶妙）を付けてある。
マホガニー系（←当然ラワンも含む）と思われるワンピースネックは25.5インチのアコギスケール。トラスロッドはノン・アジャスタブルだが、作られてから約半世紀経た今現在も特に大きな問題は出ていないので、たぶんこれからも大丈夫だろう。
握り込み型コード弾きに最適な幅狭でやや厚みのあるトライアングル・グリップ。ナットからハイポジションに至るまでほとんど指板の幅が変らないユニークなものだ。
ローズウッドっぽい指板に極細極薄フレット。
幅17インチ強、深さ（周辺部）約9.5cmという堂々たるフルサイズ・ボディ。
マホガニー系らしきボディは黄色系の生地着色の上から微妙な赤茶色サンバーストの極薄ラッカー塗装が施してある（ネックも同様）。板の薄さも相まって生音のボリュームは圧倒的だが、アンプリファイドした時のフィードバックも圧倒的だ。
思い切り堅そうな木製台座に木製ブリッジ。サイズ的にかなり頓智の効いた設計だが近日交換予定。
オリジナルはディアルモンド風ピックアップが3個付いていたらしいが、入手時に消失していたため、とりあえず余っていた60'sカワイの「ハウンド・ドッグ・テイラー」ピックアップを付けてある。当然オリジナルのエスカッションにはサイズが合わなかったが、その辺は雑な加工でどうにかした。
上部プレートには各ピックアップのON／OFFスイッチ、下部プレートにはマスタートーン、マスターボリューム、アウトプットという解りやすいレイアウト。
フェンダー・ジャガーやギブソンSGに付いてるやつみたいな上部に金属板が付いたトップハットタイプ。ちゃんとポインターが付いているのが素晴らしい。